コラム

2020/09/25

ワンチームで安全を(東京・CK)

ワンチームで安全を


▼先日、4階建ての建設現場の横を通りかかった時、驚きの光景を目にした。足場上にいた作業員が下の作業員に向けて、工具か機材らしきものを投げ渡していたのだ。通行人も巻き込むような大きな事故にもなりかねない非常に危険な行為。「やめてくれ」と声をかけると、「分かりました」と答えてくれた


▼建設業労働災害防止協会の統計によると、昨年の建設業における労働災害死傷者数は1万5183人。死者数については269人となっている。この数字は平成元年であった30年前の数字と比べると、死傷者は約4万5717人減、死者数に至っては806人減少している。確かに労災はゼロ件であることがベストだ。しかしながら、30年間でこれだけ労災を抑えてこれたのも、各団体や企業、そして関わる人々全ての努力が実を結んでいる結果であり、頭が下がる思いしかない


▼10月は全国労働衛生週間として、1950年の第1回から毎年実施されている。建設業はその特性上、どうしても労災が起こりやすい。建設業と労災の防止は、今までも、そしてこれからも最大のテーマなのだ


▼建設業界において労災に対する意識は、先の数字でも分かるように向上している。一方で、自分は大丈夫だろうと思ってしまう人がいるのも事実。労災は自分だけではなく、会社や同僚、そして家族や友人の人生を変えてしまうこともある


▼建設業界の未来を担う若者や技術者を、安全かつ安心して仕事に取り組ませるためにも、現場だけに任せず、われわれも含めて業界に関わる全ての人が、ワンチームで安全に向き合う必要があるだろう。(東京・CK)


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