コラム

2020/10/14

国土強靱化に終わりなし(茨城・KS)

国土強靱化に終わりなし


▼甚大な被害をもたらした東日本台風から約1年。茨城県河川課はこのほど、この台風を踏まえ、ドローンを使った被災状況確認とダムの事前放流の訓練を行った。9月補正予算には、国補河川改修事業として護岸整備や河道掘削などに37億4500万円を盛った。ハード・ソフト両面で防災・減災対策を着実に進めている


▼中国・長江の中流域にある世界最大級の三峡ダムが、5月から7月にかけての豪雨により決壊の危機に瀕(ひん)した。間一髪のところで脱したものの、下流域の洪水被害は避けられなかった。別のダムでは緊急放流で下流の村が水没、別の河川では強制的に水位を下げるために堤防を爆破した。ハザードマップ、監視カメラなどソフト面に抜かりはなかったのだろうか?


▼そのほか、道路が陥没する事故も後を絶たない。中国のシリコンバレーとも呼ばれる深セン市では、2013~15年に579回もの陥没が発生している。こういう事故を見聞きするたびに、日本の技術力の高さと建設産業の偉大さをあらためて知る


▼しかし、対岸の火事としてはいられない。16年、福岡市博多区の道路で地盤崩落があったことは記憶に新しい。幸いにして死傷者はゼロであったが、大都市の幹線道路の事故は絶対にあってはならない


▼国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策が本年度で期限を迎える。茨城県の土木部長は9月議会の土木企業委員会で「(同対策費の)継続要望が全国的に上がっているが、予断を許さない」と述べた。毎年のように想定外の災害が起こる時代。インフラ対策にはどんなに投資をしても、し過ぎることはない。(茨城・KS)


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