コラム

2020/10/23

こんなところで技術が(埼玉・YH)

こんなところで技術が


▼9月20日は日本モータースポーツ界にとって大きな一歩を踏み出した日となった。島根県の江津市で初めて市街地レースが開催されたのだ。市街地レースは長年、噂が立っては消えてを繰り返した歴史がある


▼1980年代には横浜でのF1開催や大分県別府市でも公道レースの構想が話題になった。その後、三宅島・台場・小樽・沖縄なども候補として挙がっていた。しかし、安全性の面から道路使用許可が得られないなどの問題により、公道レースは夢のまた夢のような話であった


▼そんな中で行われた島根県での市街地レース。地域活性化の一環として企画が始まり、自治体関係者や地元住民などの理解を得ることに成功。7年の準備期間を経て開催にこぎ着けた。国道・県道・市道を封鎖して、778mのコースでイベントは幕を開けた


▼午前9時の道路封鎖から2時間でコースを設営し、午後12時45分に20周の決勝レースがスタート。参加ドライバーは12人で日本でも有力な選手が参加した。優勝者は若手の大井偉史選手。午後3時の撤去完了まで、あっという間の6時間であった。実は、この大会でi-Constructionの技術が使用された


▼安全対策の検証へ向け、道路幅員や路面勾配などの情報が必要となった。そこで開催地周辺地区をドローンなどで測量し、3次元点群データを作成。地元業者と学生らにより測量を実施。同データにより、コースの設計変更や安全性に関する検討が行いやすくなった経緯がある。今後、建設事業だけでない全く違った場所での技術利用も考えられるかもしれない。(埼玉・YH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら