コラム

2020/11/05

安心するグーグル(山梨・OS)

安心するグーグル


▼地球規模の地図を作り、世界中のあらゆる街の様子をインターネットで見ることができる。そうしたグーグル社の驚くようなサービスも、元をたどれば誰かの頭の中から生まれたもの。同社は社員のアイデアや能力を最大限に生かすため「心理的安全性」に着目する


▼心理的安全性と聞くと小難しく感じるが、要は安心して何でも言い合える状態のこと。「こんな事を言ったら無能だと思われるかも」「問題点があるが、指摘しにくい」。会議の場でこうした心理が働き自発的な発言を控えるのは、よくあること。そうした不安から安全性の高い前例や慣習に頼り、新たなアイデアや前向きな改善は出にくくなる


▼安心して言い合える状態をつくれば、社員一人一人が持つ「強み」が仕事に生かされるようになる。個々の仕事へのモチベーションが上がり離職率が下がるなど、さまざまな効果があると同社は指摘する


▼心理的安全性を高めるには、チームリーダーの役割が重要とされる。まずはメンバーと積極的に会話し、理解を示し、受け入れる姿勢を見せる。同意できる点、できない点を整理しながら意見を交わす。問題点を指摘するのはいいがメンバーに対する否定は許さない。人の話を妨げない。意思決定する場合、根拠を説明する。メンバーの貢献を認める―など


▼こうした手法が有効なのは大企業に限ったことではない。むしろ少人数であればあるほど、社員一人一人の能力が会社全体に及ぼす影響は大きいだろう。個人の「らしさ」を生かすか否かで会社の先行きは変わる。人を研究し、その能力引き出すことに力を注いだ世界のグーグルに学んだ。(山梨・OS)

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