コラム

2020/11/17

変革は手段である(東京・CK)

変革は手段である


▼少し前に、全国建設業協同組合連合会が行った仮囲いデザインコンテストの最優秀作品、東洋美術学校「ピクニック」の記者会見を取材した。仮囲いされた工事現場を弁当箱のワクワク感と重ねて表現したこの作品には、発想の豊かさとパワーを感じた。「仮囲いが広いキャンバスに変わっていくきっかけになれば」と話した青柳剛会長の表現もまた、ものづくりへの楽しさと自由さが込められているものだった


▼この取材を受けて、とある懇親会で隣の席に座った建設会社の社長の言葉を思い出した。それは「建設業の体質は確かに古い。しかし、これ自体が悪いわけではない。良い部分は残しつつも、自分ができる小さな第一歩から建設業を変えていきたい」という言葉だ


▼建設業は変革の時代へと差し掛かっている。ICTやAI、IoTなど新技術の促進、生産性の向上や働き方改革、さらにはデジタルツインといった次世代技術への挑戦など、いや応なしに新たなステージへと進んでいる


▼一方で「建設業を変えていきたい」と話していた社長の現場では、キリンが描かれたかわいらしいショベルカーが評判だ。最近ではラジオを通じて建設業をアピールしている。まさに自分のできることから変えていたのだ


▼建設業の役割は、ものづくりや地域の発展に寄与するだけではない。人々の笑顔を作り出すことも役割のはずだ。変革は結論や結果ではなく手段だ。その先にある発展と豊かな暮らし、そして笑顔こそが求めるべき結果だと言える。そのためにも、できることから変えていく「第一歩」を踏み出す行動が、まずは大切なのだろう。(東京・CK)


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