コラム

2020/11/18

機に臨み変に応ず(長野・EM)

機に臨み変に応ず


▼国の2021・22年度競争参加資格審査でインターネット一元受付の手続きが始まった。造ることとともに守ることも必要な時代。高度経済成長期に集中的に整備された橋梁の修繕対応が増加することを踏まえ、今回から「橋梁補修工事」が新規の工事種別として追加される


▼長野県は21年4月末までだった19・20年度入札参加資格の有効期間を1年間延長する。新型コロナウイルス感染症の状況から「多数の事業者に申請事務を負担させ、多大な社会的活動を発生させることは適切ではない」と判断。8月には方針を示し、浸透を図った


▼県の対応を受けて県内の多くの自治体も追随。11月初めに弊社が実施した一斉調査では「延長」「延長予定」と回答した自治体が全体の7割に当たる54市町村に上った。検討中とした自治体の中にも延長を軸にしているところが複数あり、最終的にはさらに増える見通しだ


▼都道府県レベルでは島根県も同じ理由で1年延長を決定。電子調達システムを共同運営する県と県内12市町が足並みをそろえるという。また大阪府は21年度から、特例の形ではなく有効期間を3年間に変更する。ちなみに三重県は以前から有効期間を4年間に設定。入札制度担当は「開始時期は分からないが、14年度には現行の期間設定になっている。理由も不明だが、受発注者双方の事務負担の軽減は目的の一つだろう」と話した


▼変化への対応は容易ではない。長野や島根の措置も前例がない中、たやすい判断ではなかったはず。「機に臨み変に応ず」。未曾有の事態は入札参加資格審査は2年に1度という常識を変える契機となるかもしれない。(長野・EM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら