コラム

2020/11/27

あなたの望みは何ですか(埼玉・YM)

あなたの望みは何ですか


▼堤真一、石田ゆり子主演の映画「望み」が全国の劇場で上映され、大ヒットを記録した。「なぜ映画の宣伝を?」と思う人がいるかもしれない。答えは単純で、日本工業経済新聞社さいたま支局の媒体「埼玉建設新聞」が映画の小道具に使用されているからだ。主人公が一級建築士という役柄もあり、ご縁をいただいた


▼県庁に取材に行くと、建設専門紙はとても認知されている。市町村や企業、議員であっても日ごろから取材していれば関係を構築できるため、記事執筆のためだけでなく、企業認知の向上のためにも、日ごろからの対面取材は欠かせない


▼建設業界に限らず、各業界には専門紙が数多く存在する。個人的な興味から、各業界の専門紙を何紙か試しに取り寄せたことがある。どれも一般紙では決して得られないような情報が掲載されており、その情報密度に圧倒された。使い方次第では仕事に大いに活用できるだろう


▼一方、専門紙は一般紙と比べると、当たり前だが知名度が格段に低い。ときには取材や営業中に「知らない媒体」というだけで、相手にされないことがある。内容ではなく知名度で軽んじられる状況に、歯がゆさを感じずにはいられない


▼知名度は信頼度と言える。仕事は人間関係で回るため、取材がうまくいけば次につながる。逆に信頼を損なえば取材拒否となる。先輩記者が信頼で築き上げた取材の土壌を、現在の記者も後進のために継承、発展させなければならない。もし「あなたの望みは何ですか」と聞かれたら「専門紙発展に向け、取材を通じた信頼向上」と答えたい。映画で認知度が少しでも上がることを期待しつつ。(埼玉・YM)

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