コラム

2020/12/05

沿線市でも熱量は異なる?(埼玉・SW)

沿線市でも熱量は異なる?


▼JR川越線・荒川橋梁の複線化仕様での架け替えに関して検討などを行う協議会が設置され、第1回会議が開かれた。会員は埼玉県、さいたま市、川越市、国土交通省で、オブザーバーにJR東日本が参画。荒川橋梁の架け替えは、2018~31年度を期間とする荒川第二・第三調節池整備の堤防整備に合わせて行うもの。現状では現行同様、単線での整備を想定している


▼県幹部は「県西部を結ぶ地域にとって極めて重要な路線で、関係5者が集う枠組みができたことは意義深い」と期待感を込めた。沿線市の、さいたま市と川越市の幹部もそれぞれ、市民の期待が大きく、早期複線化を要望した。ただ、両市では熱量が異なるように感じた。川越市内のJRは川越線のみだが、さいたま市は他路線の利用者も多く、何が何でも複線化には思えなかった


▼一方、JR東日本の幹部は「今あるまちづくりの結果を勘案しても、将来的に利用人口が増えたときに検討の可能性があるが、現段階では検討の必要はない」と複線化に否定的な考えを示した。一番の課題は費用負担。事業費は他者頼りで、仮に国や自治体側が全額負担をするのなら、JRも複線化にかじを切ろうが、各々(おのおの)の厳しい財政事情を考えれば現実的ではない


▼現在のJR川越線は時間帯によっては20分間隔のダイヤで、利用者は不便を感じる。しかし、利用者は埼玉県内を通る埼京線や京浜東北線などと比較すれば多くはない。複線化の費用対効果に関する判断は難しい。今後、数年にわたって協議会が開かれることになりそうだが、どのような結論に至るのか興味深く見守りたい。(埼玉・SW)


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