コラム

2020/12/09

ゆとり世代は頼もしい(新潟・KW)

ゆとり世代は頼もしい


▼10年ほど前は「ゆとり」という言葉はどこかネガティブな意味合いを含み使われることが多かったように思う。ゆとり教育で育った若者はゆとり世代と呼ばれ、マイナスのイメージを持たれる傾向があったからだ。いま現在はそのようなバッシングの話を聞くことは少なくなった


▼ゆとり教育を受けた年代はデジタルネイティブ世代とも呼ばれる。物心が付いたころからパソコンやインターネットが身近にあり、ITに対する苦手意識や偏見が少なく、新しいものや流行に敏感で情報通信技術の活用に長けている


▼一方、ネット上での人とのつながりと現実の出会いを区別する意識が希薄と指摘する声もあり、年配者からは相手に面と向かって意思疎通を図ることを重要視していない、といった悪い印象を持たれる面もある。しかし建設業界だけでなく、どの業界でもIT機器の扱いに関してはベテラン社員より若い新人の方が一枚も二枚も上手だ


▼コロナ禍では、その年代が持つ負の印象が全てひっくり返ったように感じる。直接人と会わず、ウェブ上で連絡を取り合うことが感染防止に重要となり、業務のIT化促進や最新機器の導入、活用がさまざまな基幹産業を支える生命線になっている


▼ワークライフバランスの実現を目指す国の働き方改革の方針にもマッチしている。不要と思える慣習には「ノー」と答え、効率的な新しい手法を提案する。環境に適応するのではなく環境から変えていく。時代がゆとりを求めている。昔からのやり方を変えることに抵抗のある人の手を取り、強く引っ張ってほしい。もちろん、日本の礎を築いた先人に対する敬意を忘れずに。(新潟・KW)


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