コラム

2020/12/16

掃除の際には御用心(長野・HK)

掃除の際には御用心


▼何かと気ぜわしくなる12月。クリスマスや忘年会などのイベントや、新しい年を迎えるに当たりやるべき事柄にせっつかれる感が強いが、その一つに大掃除がある。とあるウェブサイトによれば、大掃除は元々煤払い(すすはらい)が起源となっており、「払う」は清めるとの意味合いで、新しい年を生きる力や福や徳を与えてくれる年神様を家々が迎えるために家中をきれいにしたということのようだ


▼大掃除に限らず引っ越しの折やちょっとした部屋の模様替えの際にも、思い出の品を見つけて暫し(しばし)の間、感慨にふけった経験をお持ちの方もいらっしゃることであろう。失くしてしまっと思っていた、あるいは存在そのものすら忘れていた場合などは、見つけたときの喜びはまたひとしおである


▼経済成長を旗印に大量生産・大量消費を推し進めてきたが、その裏側には大量廃棄が潜んでいる。暮しのなかでただただ「物」を手にいれて右から左へ流れ、捨てられていく感じが拭えない


▼そんな時代の中から「もったいない」の精神が芽生え、たとえ自分が使えなくなっても必要な人の元に届けばと、フリーマーケットが町のあちこちで開かれ、インターネット社会の今ではメルカリやラクマ、ヤフオクが流行っている。新しい生き方を「物」に与えているようだ


▼お気に入りの愛用品などは修理・修繕を繰り返して長く使い込む場合もある。その品に纏わる(まつわる)出来事、思い出などとともに一品は息づき、持主とともに人生を歩む。1年間ため込んだ煤には共に歩いてきた思い出があるかも知れない。ふっと感じるものがあったら手を止め、考えてみるのもいいかも知れない。(長野・HK)


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