コラム

2021/01/21

コンサル業務の重要性(群馬・KS)

コンサル業務の重要性


▼近年、激甚化・頻発化が著しい自然災害。発生してしまえばその被害は広域にわたる。その中で災害被害の抑制、被災後の復旧には自治体を中心に、建設コンサルタントと実際に工事を行う企業の連携が重要となる


▼特に災害復旧では、被災地がいち早く日常を取り戻すために大きな苦労が伴う。建設コンサルタントは被災地の測量などを行い、災害査定や工事、完成検査の基となる設計図の作成を行うなど大きな役割を担っている


▼2019年10月の台風19号は全国に大きな爪痕を残した。現在も各地で災害復旧工事が進められているが、その本格化には建設コンサルタントの努力があった。昼間は現地を測量し、夜は県や市町村が国の災害査定を受けるための設計図面の作成を行うなど昼夜を問わず業務に当たった


▼ある建設コンサルタントの社員に話を聞いた。群馬県上野村にある御巣鷹の尾根近くの被災現場に向かう途中、道路も被災し車の通行ができなかったため「測量機器などを持って3時間近く歩いて現場に向かわなければならなかった」と振り返る。しかし「自分が測量、設計を担当した災害で被災した道路や砂防堰堤などが復旧したときにはこれまでの苦労が報われた」という


▼災害復旧や対策はもちろん、公共事業の円滑な推進には建設コンサルタントの技術力が不可欠。しかし、市町村においては建設業者をたたえる表彰はあっても、建設コンサルタントはない場合が多い。社会資本を支える重要な役割を担う建設コンサルタント。従事する会社や技術者のモチベーションを向上させるような取り組みをより一層進めてもらいたい。(群馬・KS)


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