コラム

2021/01/29

現実は小説より奇なり(東京・CK)

現実は小説より奇なり


▼第99回全国高校サッカー選手権は山梨県代表の山梨学院高校がPK戦の末、11大会ぶり2度目の優勝を勝ち取った。今大会はコロナ禍の影響により、12月31日から1月11日までという例年に比べると短い期間で、かつ無観客試合で行われた


▼それだけではなく、普段の練習や試合などの活動でも制限がある中での、誰も経験したことのない難しい大会だったはずだ。しかし、こうした困難の中でも力強く戦う選手たちにただただ脱帽した。そして、選手たちの大会に懸けるいろいろな思いが伝わってくる大会でもあったと言えるだろう


▼そうした中、話題となっているストーリーがある。それは日本の健康美容器具メーカーの新商品発表で、世界的なサッカー選手として有名なクリスティアーノ・ロナウド選手が来日し、イベントを催した時のことである。とあるサッカー少年がポルトガル語で質問した際、その言葉があまりにも拙かったことに対して会場から笑いが起きた


▼困惑した少年に対して、ロナウド選手だけはクスリとも笑わずに「どうして笑うんだい?彼のポルトガル語は立派だ」と周りの笑いを一蹴したのだ。そして、少年がこの発言に助けられたのは、表情を見るだけで伝わってきた


▼このイベントから6年後、その時の少年は今回優勝した山梨学院高校の選手として大会のピッチに立っていた。スーパースターの一つの対応が、少年のサッカー人生の大きな財産となっていたのだ。彼が当時質問した内容は「一緒にプレーするにはどうすればいいのか」だった。現実になるのではと期待をしてしまうのは、私だけではないだろう。(東京・CK)


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