コラム

2021/02/05

地球に挑む建設業(群馬・YT)

地球に挑む建設業


▼東京から南へ約930㎞の地点にある西之島。2013年の噴火で新しい島が生まれた。その後、それまであった島と接続、一時は漫画ピーナッツのキャラクター、スヌーピーに形が似ているということで話題となった。さらに噴火が起き、それまであった島を飲み込んだ


▼現在は落ち着いてきているが、噴火の危険性もあり近づくことはできない。また、新たな島の誕生という地球規模で珍しい現象であり、安全性だけでなく科学的な意味でも立ち入りはできないが、いつかは訪れてみたい土地の一つ


▼観測を開始した1973年時点での面積は0・07平方㎞、標高25m。その後の噴火により2018年12月時点で面積2・89平方㎞、標高160mまで成長した。15年に行われた調査では、噴出物の量が総体積1・6億立方m、重量約4億tに上ると推定しており、スケールの大きさを実感できる


▼しかし、人類も負けていない。日本にある最大の人工島である関西国際空港は、1期目に作られた島が5・1平方㎞、埋め立て土量1・8億立方m。2期は5・4平方㎞、埋め立て土量2・5億立方mでなんと西之島より大きい。西之島は近年に発生した噴火だけの結果、さらに言えば立地の差も大きく、単純な比較はもちろんできないが自然よりも大きな島を人類が作ることができるようになったのは驚愕(きょうがく)だ


▼歴史を振り返れば、人類はさまざまな苦難と恩恵を与える地球を利用しようと挑み続けてきたといえる。その中で建設業は治水をはじめとする戦いの最前線に立ち続けている。これからもその姿を応援していきたい。(群馬・YT)


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