コラム

2021/02/13

変わりゆく風景を見て(埼玉・YH)

変わりゆく風景を見て


▼順調なら来年秋、九州の出身地に新幹線の駅が開業する。個人的には在来線の駅の方がよかったが今更言っても仕方ない。観光の町としてうたっているが九州圏内の観光客がほとんどだという。今後、駅周辺もまちづくりの一環として道の駅整備などの開発を進めていくらしい。これで人の移動が増加して、にぎやかになっていくのだろうか


▼数年前に帰省した際には、すでに新幹線の高架橋工事が進んでいた。現在は駅舎の建設も進行中だ。語弊はあるが、ほぼ何もない町の中にそびえるそれは個人的には異様に見え、ショックも感じた。かつて通っていた高校の前の田園風景には高架橋が並び、コンビニエンスストアも新幹線開業に合わせて閉店した。変わりゆく風景を横目に見ながら大学進学のため地元を離れた


▼仕事を通して改めて感じる。再開発やまちづくりという言葉は、この仕事をしていなかったら「へぇ。そんなことがあるんだ」くらいにしか思っていなかったかもしれない。地元民として景色が変わることは非常に意味が大きい。取材していて分かる。さまざまな人たちの思いが詰まっている


▼町がにぎわいを見せるのは良いことだと思う。初めて訪れた人たちが、地元住民が気付かなかった魅力を引き出してくれるかもしれない。一時的だけでなく、作り出したまちを見届けていってほしいと願う。みんなが楽しく快適なまちづくりをしていってほしい


▼そういえば以前、取材中に先方の人が言っていたことを思い出す。「ハードを作っても中に入るソフトが重要だ。ソフト面をしっかり考えないと、人を呼びたくても来てはくれない」(埼玉・YH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら