コラム

2021/02/19

雪国の営みを実感(新潟・KW)

雪国の営みを実感


▼昨年は暖冬だった。特別豪雪地帯の新潟県内では積雪0㎝の日が続き、冬場は除雪作業のため工事を止めて待機している建設事業者にとって昨年度の冬は苦労した時期だった。本年度は一変し、1月下旬の時点で県が2020年度当初予算で準備した機械除雪費予算の9割を投じるほどの大雪に。大寒波が発生し雪が特に多い県内地域では一晩で3m強の積雪があった


▼除雪車の通れない狭い道路の周辺では、町内の住人が総出で雪かきに追われる。困るのが雪の捨て場だ。自宅のある新潟市内には雪を捨てるための流雪溝や空き地も無いため、適当な場所にうず高く雪が積まれる。丸1日かけて雪かきを続けた。翌朝、玄関を開けてみると、魔法のようにまた雪が積もっている。足跡一つない


▼雪かきができない人もいる。その家の周りを町内の住人同士で除雪しながら「昔はこれぐらいの雪、普通に降っていたな」と話し合った。雪かき上手のご近所さんは70代後半だが、雪かきをする姿はとても頼もしく力強く見える


▼夜、床に就くとギュラギュラと大きな音が聞こえてくる。息子がおびえて何の音か聞くので「除雪車だよ」と教えた。「朝に道路が使えるように夜にお仕事してるんだね」と理解すると安心したようだ


▼寝起きの朝方に雪かきで目を覚ましてからの出勤も悪くないと思っている。非常に疲れるのだが、豪雪地帯での営みを実感するのだ。ただ雪国の建設業者や地域住民は、除雪業務へのICT活用について一層の促進を強く待ち望んでいるに違いない。強い使命感を持って最前線で除雪に当たる建設業者を少しでも後押ししてほしいと思う。(新潟・KW)

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