コラム

2021/02/26

3Dで納得のまちづくり(山梨・HI)

3Dで納得のまちづくり


▼工事図面が分かりにくい。行政職員が住民説明会で感じる課題を語る。平面図や横断図。建設業になじみのない人にとっては、図面から完成した姿を想像するのは難しいだろう。ふわふわした状態で進めば、イメージが違うと認識の違いが起こることもあり得る


▼役場新庁舎の建設に当たり、住民説明会が開かれた。模型と写真を使った説明は、どのような機能がどこに配置されるのか、建物の全容を想像するのを簡単にした。模型とまでは言わないが、土木工事においても立体的な図面、3D化が浸透すれば、住民理解も円滑になるだろう


▼とある新幹線の建設工事では、行政側の2次元図面による説明会に対して、住民自ら3次元モデルを作成した事例がある。構造物は立体化され、時間要素を加えることで、高架橋周りの影の落ち方も想定できるようだ。劇場などの観覧施設計画ではVRが導入され、座席からの視点をシミュレーションできる技術も台頭する


▼計画内容の理解度が深まれば、住民から寄せられる意見や要望も具体的なものになっていくだろう。行政と住民で意見を出し切ることが、双方納得のまちづくりにつながると感じている。素晴らしいものが完成した後に使用感や日照関連などで認識の違いが出るのは悲しい


▼導入費や人材育成と課題はあるが、国などの支援策を通じて、県や市町村の公共工事において浸透することに期待したい。2020年度は密を避け、説明会開催が難しかった。立体図面であれば、まずは配るだけでも理解の一歩につながるだろう。そして、3密回避における計画の停滞抑制にもつながるかもしれない。(山梨・HI)

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