コラム

2021/03/03

電子化で変わる決済の形(茨城・TO)

電子化で変わる決済の形


▼買い物をする際、キャッシュレス決済を使うことが増えた。レジでスマートフォンを「ピッ」っとかざすだけで支払いが完了。小銭を探す手間やお釣りのやりとりが無く、使用額によっては、現金で支払うよりも安くなる場合がある。手軽が故に気が付くとつい食べ過ぎてしまうことも


▼電子化の波は手形にも。経済産業省は、紙の約束手形を2024年度に支払期間を最長120日から60日以内に短縮し、26年度には廃止する方針を発表した。銀行振り込みや電子手形(電子記録債権)に移行することで、支払いサイトの短縮や事務手続きの負担軽減につなげていくとしている


▼手形による取引が根強く残る建設業界においても、新たな変革が求められる。受注者(受取人)側の中小企業や下請け業者では入金までの期間が空くことで資金繰りを圧迫するほか、事務負担や費用に苦慮するといった事象が多い


▼全国銀行協会が行った実態調査では、約束手形をやめられない一番多い理由として支払い側は「業界の商慣習」、受け取り側は「支払い側が手形を希望している」がそれぞれ大半を占めた。どうしても手形でなければいけないということでもなさそうである


▼企業の血液とも比喩される「資金」―。前例にとらわれず、業務の効率化・生産性向上のためには積極的に電子化やサイト短縮に取り組んでいくべきである。そして中間前払金などを有効に活用することで、円滑な資金繰りを行っていくことも大切だろう。場合によっては前払金要件の拡充も必要になってくるのかもしれない。企業も人も血液サラサラの健康体を目指したい。(茨城・TO)


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