コラム

2021/03/09

道路に潜む落とし穴(埼玉・MK)

道路に潜む落とし穴


▼交差点に向かってアクセルをやや踏み込むことは少なくない。法定速度を超えれば当然違反だが、信号機の黄色が点灯する前に通過できればひとまず快適なドライブは続く…。などと思った矢先、警察官が車道に飛び出してきて大きく腕を振る。窓を下げる私に一言「この車線、右折専用帯なんですよ」


▼わずか10秒前の記憶を手繰るが、道路標識を認識した感覚はない。車から降りてよく見れば、交差点手前の路面には青い矢印。そこでようやく、ぼんやり運転していたことに気付かされた。事故を起こさなかったことは不幸中の幸い。後日、勉強代と思って反則金を支払った


▼日本自動車連盟(JAF)が昨年発表した「信号機のない横断歩道」における歩行者優先(一時停止など)の全国調査結果によると、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は、21・3%にとどまる。8割ほどの車は歩行者を優先せず通り過ぎる現状を浮き彫りにした


▼歩行者の進路を故意に妨げるのは悪質と言うほかない。ぼんやり通り過ぎていたならば、さらに危険。そうした内訳は知る由もないが、せめて「ぼんやり運転」を事前に減らすことはできないものか。わが身を振り返りながら、そう考えてしまう


▼自動車教習所で習った「交通ルール」を忘れ、経験則などの「マイルール」で運転してはいまいか。取り締まりに戻る際、警察官は「走り慣れない道で違反は多い」と教えてくれた。その日初めて走る道でも、安全に通行できるよう定められたのが道路交通法。経験則に染まらない、基本に忠実な運転こそ安心・安全につながる一本道である。(埼玉・MK)

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