コラム

2021/03/10

建設職人の技術力(東京・YK)

建設職人の技術力


▼中京テレビの制作で、水曜日の深夜に放送されている「それって!?実際どうなの課」という番組をよく見る。タレントのアキラ100%さんが、さまざまな建設現場等の仕事を本気で体験する内容。例えば、とび職では建設現場に足場を組み立てる作業で、常人ではとても付いていけない過酷な作業工程を見せられる


▼不慣れとはいえ、スポーツクラブでインストラクターをやっていたアキラ氏が動けなくなるほどの大変さだ。同じく基礎工事の現場では、砕石敷作業で1時間にわたり全速力で一輪車による砕石運び行われる。重さは60㎏以上もあり、初心者ではまともには扱えない


▼また外構工事ではモルタルの上にブロックを重ねるのだが、1ミリの誤差も許さない作業を紹介している。これは経験の上積みで養われた職人の感覚でできるもの。いずれも周りを見渡せばよくある現場だが、その作業内容や厳しさ、技術の高さを多くの人が知ることはない


▼建設現場の人手不足は2000年頃から始まり、従業者数は減少の一途をたどっている。リーマン・ショックにより国内の建設需要が減り、多くの職人が建設業を去った。若者の業界離れと入職者数の減少も著しく、国土交通省の調べでは、1995年から2010年の間に20~25歳の建設業界の在職者・入職者は6割低下したという結果が出ている


▼建設業界は、何年も前から若者の入職を促すために、休日拡大や処遇改善を進めているが、まだ実を結んでいるとはいえない。建設業が社会にいかに貢献しているかを広く知らしめる活動も始まっているが、さらなる周知が必要だ。(東京・YK)

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