コラム

2021/04/08

きっかけは形から(茨城・TI)

きっかけは形から


▼車を再塗装した。色は変えず、塗装のはがれが目立つ屋根と前面部のほか、側面などを部分的に補修した。1年点検のついでに修理屋に預け、戻ってきたのはほぼ1カ月後。期間が空いたこともあり、塗装を終えた車に乗ると、走行距離は自然と伸びた


▼形から入ることは大切だ。実践していることでいえば、調理器具や食材はあえて高価なものを選ぶことが多く、「もったいないから」と自炊の回数が増えた。趣味のランニングでは気持ちが落ち気味な時に運動着などを一新し、「せっかく買ったし」と、やる気につなげていたことがある。逆に追い込むこともでき、筋力トレーニングの器具は「買えばやるだろう」という考えから購入した。場所も取るため目に入り、必然的によく使用している


▼公共施設の整備方針ではシンプルで経済性に優れた建物という文言をたびたび見かける。一方で設計段階では外観や意匠を細部までこだわる。経済性とデザイン性の両立が必要な公共事業で、安易な決断により、追い込むことはできない


▼話を戻すと、愛車は30年以上前の車種で、購入してから10年以上経つ。いつまで動くか分からない。何度も廃車の危機があった。それでも乗り続けようと、再塗装に踏み切った。遠からず乗れなくなるかもしれないから、少しでも乗る機会を増やしたかったのだ


▼懐事情とこだわる箇所の見極めは常に生じる。動き出したら止まらない場合もあり、判断が難しい。ただ形から入るのはきっかけになる。きれいになった車を運転したい、それくらいの軽い気持ちで動ければいいのだが、なかなかそうはいかない。世知辛い。(茨城・TI)

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