コラム

2021/04/22

新しい目の積極導入を(茨城・TO)

新しい目の積極導入を


▼2021年シーズンからJリーグで本格導入が始まった「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」。審判のミスジャッジを防ぐためのビデオ判定システムである。審判の新たな目として、勝敗を左右する得点機会に関わる判定に登場することが多くなった


▼学生時代、サッカーの試合で自身のプレーで明らかな誤審があったことを思い出す。「審判だって人間、人間は間違える生き物」と今となっては思えるが、プロの世界でそれはあってはならない。VARでは試合が一時中断するなどの課題はあるものの、選手や審判の公平性を保つために今後も必要になってくるだろう


▼ICTを推進する建設業界においても「新たな目」の活用が求められる。ドローンによる3次元測量やICT建機による施工など、人間の目で確認することができなかったことが高精度で3次元データ化できることは大きな利点といえる。業務の省力化・効率化につなげようと導入に向けた取り組みも進んでいる


▼茨城県では20年度上半期に、対象案件全体の23%に当たる48件のICT活用工事を実施した。協議未了の工事を除けば実施率は約半数を占める。さらに20年10月にはICT活用工事の対象を拡大。発注者指定型と「チャレンジいばらきⅠ型」の土工量を1万立方mから7000立方mに変更している


▼日本サッカー協会によるVARの哲学は「最小限の干渉で最大の利益を得る」こと。最良の判定を見つけることではなく「はっきりとした明白な間違い」を無くすために導入されている。建設業においても積極的な導入を進め、生産性の向上につながってほしい。(茨城・TO)

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