コラム

2021/04/29

官製談合がもたらす影響(群馬・KS)

官製談合がもたらす影響


▼群馬県内では近年、高崎市と沼田市、前橋市における官製談合が続き、地元紙でも大きく取り上げられた。3市ともに市職員が入札前に予定価格を特定の業者に伝えていたことが問題となった


▼官製談合が起こったことを受け、高崎市は職員などの職務遂行における法令順守徹底を図るため、コンプライアンス室を設置。沼田市は建設工事における指名競争入札の原則廃止や建設工事、業務委託を対象に予定価格の事前公表に切り替えた。前橋市については、予定価格の事前公表などを検討したいと市長がコメントを出している


▼沼田市の官製談合が報じられた後に、予定価格を事前公表に切り替えた市町村もあった。発注機関である行政だけが官製談合防止に努力しているだけでは談合を撲滅することは難しい。受注者である建設業者が官製談合は違法行為であるということを、改めてしっかりと認識することが重要だ


▼建設業界は入職者を確保するため、就労環境の改善など昔のイメージを払拭(ふっしょく)するためにさまざまな取り組みを行っている。しかし、官製談合が新聞やテレビなどで報じられると、一般の人には建設業界は以前と変わらないという負のイメージを与えてしまう。建設業に携わる各社が、本気で業界全体のことを考えなければ、これまで地道に行ってきた業界のイメージアップや入職者を増やすための取り組みが無駄になってしまう


▼仕事を受注しなければ、会社を存続させていくことは難しいという事情は分かる。しかし、官製談合に関わった一部の業者により建設業界全体が批判を受けることになることを今一度考えてもらいたい。(群馬・KS)


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