その能力に脱帽（新潟・ＴＨ）

その能力に脱帽

▼その飄々（ひょうひょう）した姿に気持ちが癒される。先日、スマートフォンの画像を見直していたところ、以前水族館で撮ったいろいろな種類のクラゲの写真が画面に埋め尽くされていた。神秘的で不思議な生態に魅了され、自分でも知らぬうちに無我夢中でシャッターを押していたのだろう

▼そんな数あるクラゲの中で一番興味を持ったのが「ベニクラゲ」だ。直径数㎜～１㎝程度のとても小さなクラゲだが、なんとこのベニクラゲ「不老不死」とされる。不老不死と呼ばれる所以（ゆえん）は、命の危機を察知するたびに若返る能力を持っているというからだという

▼一般的なクラゲは、寿命を迎えたり、敵に襲われて傷ついたりすると死んで海に溶けていくが、ベニクラゲの場合は、死ぬ代わりに「ポリプ」（小さなイソギンチャクのような姿の時期）に戻り、通常時と同じように成長して、再び大人へと戻る。全く同一の遺伝子＝同一個体が、何度も若返るという仕組みになっている

▼この能力のメカニズムは、現在も詳しいことは解明されていないらしいが、今後この仕組みが明らかになれば、人間の病気の治療やアンチエイジングなどに応用でき、いつの日か夢の不老不死の薬ができたりするのかもしれない

▼いまだ終息が見えない新型コロナウイルス。アメリカではワクチン接種を完了した人はマスクなしで人と会える状況にまでなっているというが、日本ではようやく高齢者へのワクチン接種が始まったばかり。全国民が接種完了するのはいつになることやら。ベニクラゲのように命の危機を察知すると若返るような能力が備わっていれば…と思う今日この頃である。（新潟・ＴＨ）