コラム

2021/05/25

20本の歯でおいしく(新潟・YY)

20本の歯でおいしく


▼第三大臼歯(親知らず)が痛い。周囲が炎症を起こしているらしい。歯ブラシが届きにくい上、歯冠が少し埋まっているため、特に注意しているつもりだったが、みがき残しでもあったのだろうか。口を開けるとズキリ、食べ物が触れるとズキリ。痛みに耐えかね、よくかまずにのみ込んでしまう。これでは胃まで痛めてしまいそうだ


▼日本人の平均寿命は84年。ところが歯の寿命は50~60年ほどで、加齢とともに抜け落ちてしまうとのこと。原因は虫歯や歯周病、かみ合わせ、ストレスなどで、最も寿命が長い歯は下顎(がく)犬歯の66年、逆に短いのは下顎左側第二大臼歯の50年


▼歯の健康は全身の健康につながるという。しっかりかめないと消化器へ負担をかけるばかりか、脳への刺激が減り認知症の発症リスクを高めてしまう。また、よくかむことで唾液が多く分泌され、虫歯や歯周病予防に。さらに肥満防止への効果も期待される。口内を清潔に保つことは歯周病菌が原因の誤嚥(えん)性肺炎の予防にも


▼では歯の寿命はどう延ばせばよいのだろうか。最も実践されていることは歯みがきだろう。重要なのは、虫歯や歯周病の原因となる細菌の集り「プラーク」を歯石になる前にしっかり取り除くこと。子どもの頃から何度も聞いてきたことだが朝、昼、晩の食事の後に行うことが基本。就寝中は唾液の分泌量が下がるため、夜は特に時間をかけたい


▼80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020運動」。日本歯科医師会などが推進している。もし長生きできるのであれば健康寿命を延ばし、おいしい物をできるだけ自分の歯で味わって食べたいものだ。(新潟・YY)


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