コラム

2021/06/03

適度に楽しむ気持ち(茨城・TI)

適度に楽しむ気持ち


▼先日、知り合いがコーヒーミル(粉砕機)の電動式を購入し、使わなくなった手動式をもらった。毎朝や日中も頻繁にコーヒーを飲む身として以前から興味があり、たまに食料品販売店の業務用ミルでひいたこともあった。新品同然の品を見せられ、「欲しい?」と聞かれた時は二つ返事だった


▼焙煎した豆の粉をろ過して入れるドリップ・コーヒーで、ミルを使う利点は時間経過による味や香りの品質劣化防止とよく聞く。断っておくと、味や香りの変化について分かるような繊細さは持ち合わせていない。粉の粗さを調整しつつ、ミルを使った一杯と、粉の状態を購入した一杯を比べたが、違いは正直分からなかった


▼もらった手動式ミルでは、市販されている有名店の豆などを購入して使っている。豆を容器に入れ、取っ手を回すだけでできるため、数杯分なら5~10分程度でひき終わる。ただ数回も使うと、知り合いが電動式に買い替えた理由が分かった。単純作業であるが、意外と取っ手を回す手が疲れるのだ。最初こそ新鮮な工程に毎朝使っていたが、現在は土日の余裕がある時にゆっくりと使用するのにとどまっている


▼そもそも味や香りがよく分からない時点で、「コーヒーの豆をひく」という雰囲気を楽しんでいる部分が大きい。結果はむろん大事だが、過程を楽しみ、気持ちにゆとりを持つ。散歩やドライブであえて遠回りする心境に近い


▼なんでもそうだが、凝り出すと果てしない。生活の彩りになる適度な範囲で楽しんでいたい。ただ一つ言えることは、コーヒーミルの購入を考えている人には電動式をお薦めしたい。(茨城・TI)

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