コラム

2021/06/18

時代の最先端に(群馬・TH)

時代の最先端に


▼ここ数年で建設業界にもハイテク化の波が押し寄せてきた。国土交通省が先頭に立ち、i-Constructionの実現に向けた基盤整備が進んでいる。各地方自治体でもICT施工の現場が増えており、すでに時代の最先端から当たり前に変わりつつある


▼ICT技術を導入する現場の説明会に参加した時のこと。バックホウやブルドーザーなどの建機を一般の車に例えると「地図とコンパスで行き先を探っていた」とする一方で、ICT技術を活用した建機は「カーナビが搭載された車で、目的地(指示)を入力すれば到着まで機械がサポートしてくれる」と説明された


▼実際に現場を担当したオペレーターに話を聞く。従来の方法に比べ、丁張が不要のため、作業スピードが段違い。誘導員を動員する必要もなく、安全かつ経済的。目視での確認も最低限などの利点が挙がった。発注者側も、3次元のデータを集積することで、維持管理の質が向上する


▼逆に欠点を尋ねると、しばらく考え込んでから「建機自体の値段が高いことぐらい」と笑った。ICT建機は、通常のものと比較して3倍近くの費用がかかる。しかし、誘導員に割く人件費などを考慮すると、初期投資分は十分に回収が可能だという


▼「建機自体の扱いは、ベテランの方がうまい。ただし、タブレットなど機械の扱いは若手の方が上手」とオペレーターは続けた。極端に言うと、建機に指示さえ入力すれば中学生でも施工できる。建機の扱いは「職人の技術力を要する難しいもの」から「誰でも安全・安心に操作できる」へイメージを転換できれば、入職希望者が増えそうだ。(群馬・TH)


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