コラム

2021/06/23

心理学と経済学(山梨・TN)

心理学と経済学


▼先日、書店で何か面白い本がないかと探していたところ『それ、「心理学」で説明できます!』(清田予紀著、三笠書房)という書籍が目に留まった。同書では人々の行動を心理学の観点から解説しているが、特徴的なのは、ほとんどの項目で人々の行動がネーミングされており、それを強調して記述してあったということ。つまり私たち人間の行いが、心理学でかなり分析されているということが印象付けられている


▼例えばテレビのバラエティ番組でスタジオのひな壇に大勢の人がいるが、この人たちが笑うことでテレビを視聴している人も思わず笑うという行動。これは人々の行動を無意識にまねすることで共感を得るためであり、心理学用語では「ミラーリング」。こんな具合に解説している


▼ところで心理学は経済とも関係がかなり深い。店舗におけるディスプレイや値段など人々の購買意欲をそそるよう仕掛けが数多く存在するようだ。もっと大きな視点では、20世紀を代表する経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、株式投資を美人コンテストに例えている。値上がりする株式を見つけるには自分の好みで株式に投資(投票)するより、多くの人が投資(投票)する銘柄を選ぶべきとしている。これは「美人投票」と呼ばれており、やはり心理学を使った手法だろう


▼ちなみに、ケインズは建設産業とかなり関係が深く、公共投資で景気を回復させる経済学を生み出している


▼心理学はAIなどと絡み、さらに進歩するに違いない。監視カメラではないが、あらゆることが見透かされる世の中にますますなっていく気がする。(山梨・TN)


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