コラム

2021/06/29

事業承継をチャンスに(山梨・TH)

事業承継をチャンスに


▼建設会社の社長と話すと最近、話題になるのが跡継ぎ問題(事業承継)。会社を残したいがどうするべきか悩むと打ち明けてくる。息子が駄目なら、親族、あるいは有能な従業員も選択肢になると続ける。新型コロナウイルスの感染拡大で会社の今後に不安を持ったようだ


▼そう言えば、事業承継に成功した事例は多くあるが、失敗やトラブルが起きたという事例もよく聞く。例えば、会社のさらなる発展を願って他の人に事業承継をしたものの、人選を誤り事業がうまくいかなくなったケースも多いという


▼昨年、ある団体が開催した事業承継講習会を取材した。事業承継の支援から見える3つの問題点は①後継者難②承継準備の遅れ③相談しないこと―を挙げた。後継者難の内訳は▽後継者が決まっている(30~35%)▽決まっていないが候補者はいる(15~20%)▽後継者も候補者もいないが、事業は継続させたい(20~25%)▽廃業を検討している(25~30%)―など


▼その時の講師は「後継者の能力を見極めるには、経営者としての覚悟があるかや、その人の経営能力などを確かめておく必要がある。能力で未熟な部分があってもそれを補う人材を確保すれば解決できるが、覚悟がなければ事業を継続させることは難しい」と話した


▼一方、コロナ禍でも設備投資を行っている業者の話も聞く。感染終息を見据え事業基盤を強化するようだ。コロナで社会生活も大きく変わった。事業承継には準備期間が必要で、その対策を早めに信頼できる人に相談すべきだろう。チャンスと捉える前向きな経営者が一人でも増えることに期待したい。(山梨・TH)

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