コラム

2021/07/21

うまくて速いプロの技(山梨・OS)

うまくて速いプロの技


▼先日、友人が家を建てたというので心ばかりの祝儀を持って知人宅に伺った。「小さな家だけど、これで十分」と満面の笑みを浮かべ出迎えてくれた。真っ白な壁にキッチン、風呂場は白と茶の落ち着いた雰囲気だ


▼所々に木目が使われた、ぬくもりの感じられる家。友人は昔から部屋のレイアウトやインテリアのセンスがいい。リビングにはテーブルや椅子、テレビ、家具などがバランス良く配置され、魅力的な部屋になっていた。友人の奥さんと3人、たわいもない話で盛り上がる。すると「ピンポーン」と呼び鈴が鳴った


▼友人が応対し、作業服姿の男性と一緒に脱衣所に入っていく。「あぁこれですね」と男性。のぞいてみると床材の一部がめくれていた。友人が水をこぼしたのに気付かず放置していたところ、床材がめくれたという


▼男性は工具を取り出し、それを床にスーと這わせる。するときれいに床材が剥がれ、接着剤のようなもので張り直した。その間ほんの数分。男性は「あとはドアの調整ですね」と言い、寝室の入口に向かう。ドアの開閉がぎこちなく、友人がいくらやっても直らないという。男性はドライバーを取り出しドアの部品を調整。あっという間に直った。男性は「また何かあったら気軽に呼んで下さい」と言い残しさっと帰る。滞在時間は10分ほどだった


▼あらためて直した床をじっと見てみる。補修の跡は全くなく見事な仕上がり。ドアもスムーズだ。どんな仕事でもプロである以上は結果が全て。「努力の跡はあるが」「時間をかけたが」では通用しない。技術と経験に裏付けられた仕事に思わず、うなった。(山梨・OS)

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