コラム

2021/07/29

まねることと学ぶこと(茨城・RN)

まねることと学ぶこと


▼物まね番組を見るのが好きだ。特に「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」は年に一回の特別番組になってからも必ず見ている。披露される物まねはさまざまで、有名人の特徴的な言動から、日常の何気ないやり取りを切り取ったもの、もはや本当に実在するのかと思うものまで。なかなか奥が深い


▼「学ぶ」はまねをする「まねぶ」と同じ語源を持つという。子どもは話し方や振る舞いなどを周りにいる親や先生、同級生から学んでいく。語学の勉強なら先生の口の動きをまねして発音を覚える。仕事でもまずは先輩のやり方をまねすることで少しずつ覚えていく。まねることは学ぶ基本だと言える


▼しかしまねる力には個人差がある。育成に力を入れなければ若手が定着しない時代だ。とはいえ、教えられた経験がそもそもないのにどう教えたら良いのか…という声が聞こえてきそうである。もちろん新人自身の学ぶ意欲は求められるが、業務内容をある程度体系立てたマニュアルにしておくことも大事だ


▼以前、建設関係技能者の新規入職者向け訓練を取材した。参加した各社の新人は日々の仕事をやりながら技能・技術をプログラムに沿って学んでいた。「訓練に参加した新人は仕事の覚えが早い」と評判だった。基礎的なことを習得すれば、あとは先輩の技をまねて覚えていけるだろう


▼有名人の物まねを見た後に、まねられている本人を見ると物足りなく感じることがある。物まねが本物を超えてしまい、本物が薄味になってしまうのだ。今は先輩の技をまねをしながら仕事を覚えている新人たちも、いずれはその背中を超えていくだろう。(茨城・RN)

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