コラム

2021/08/07

新たな挑戦と障害(群馬・TH)

新たな挑戦と障害


▼スケートボードへの関心が高まっている。東京五輪ではストリート部門で男女合わせて金メダル2つ、銅メダル1つを獲得する快挙を成し遂げた。各国の選手が繰り出す技に興奮した方も多いだろう。中でも階段の手すりを滑る技はダイナミックで息をのんだ


▼街中でスピードを出す、公園などに集まって騒ぐ、公共物を壊すなど「迷惑」に感じる方も多いはず。事実、公共の場所で自分勝手に滑る行為は、正直なところ迷惑であり危険。街を歩いても「スケボー禁止」の張り紙を目にする場面は少なくない


▼こうした状況に対して、自治体は何もしていないわけではない。禁止するだけでなく、競技スペースの整備を進めている。群馬県内でも複数の自治体が五輪開催前から整備に向けて動き出している。しかし、思うように事業が進んでいないのが現状だ。競技としての歴史が浅く、競技用構造物の規格が確立されていないことが一因とされる。また、施設の維持管理手法に関するノウハウも不足している。課題解決を手助けする競技団体の発足も遅れており、自治体にとって手探りな状況が続く


▼ある自治体の担当者は「せっかく競技スペースを整備しても利用されなければ意味がない」と話す。初心者から上級者まで全ての層を満足させる施設の整備は難しいだろうが、魅力的な場が提供できるように熱心に研究している


▼五輪の功績により負のイメージ払拭(ふっしょく)へ一歩進み出した。ストリート文化からスポーツへと昇華し始めている。これを好機に、愛されるスポーツとして根付いていくために官民で知恵を絞っていく必要がある。(群馬・TH)


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