コラム

2021/08/11

広がる女性活躍の場(茨城・AS)

広がる女性活躍の場


▼休日のある日、測量作業をする女性を見かけた。歩行者道をランニングする私に「ご迷惑おかけしています。暑いですが頑張ってください!」と声を掛けてくれた。気温35度を超える暑い日、汗だくの彼女は涼げな笑顔で誘導してくれた。猛暑にイライラしていた私の気持ちが冷静になっていく


▼工業高校生が気にする就職先の条件として女性社員がいるか否かが挙がるらしい。「女性がいる=環境が整備されている」と考える学生が多いという。2014年度に国土交通省などが「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を発表し、女性専用トイレ設置やテレワーク推進などの改革が行われている


▼茨城県には女性技術者の活躍を支援するとともに、建設業界のさらなる発展を目指す「建女ひばり会」という団体がある。ある会員は「工事もさることながら、私たちの取り組みを理解してもらう方が難しい」と語る。現場見学会を開こうにも、参加者の安全確保を担保することが困難であるといったことが要因にある


▼女性が建設業界にいることで、作業が効率的になったり、男性とは違う視点で作業ができたりと利点も多い。先に述べた、直接工事に関わらない場面での声掛けなどもその一つだろう。とはいうものの、15年度の国交省の調査によると、女性技術者の割合は5%に満たない。女性が活躍する現場の認知度はまだまだ低いのが現実だ


▼工事によって便利になったと感じる場所で女性が活躍していることは思ったよりも多い。暑い日も寒い日も現場に立つ彼女たちに今度は私から「いつもありがとうございます」と伝えていきたいと思う。(茨城・AS)

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