コラム

2021/08/27

安心安全な暮らしのために(群馬・KS)

安心安全な暮らしのために


▼群馬県内の道路管理者が集まり、道路とその構造物の老朽化対策などを協議する群馬県メンテナンス協議会。その取材の中で橋梁の修繕着手率が群馬県は関東地域で最も悪いことを知った。これまでに行った健全性判定で早期措置段階とされる判定区分Ⅲ、緊急措置段階である判定区分Ⅳの橋梁で、修繕に着手したのは35%と3分の1程度だという


▼国は2021~25年度を期間とする防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を閣議決定し、安心・安全な地域づくりのための取り組みを積極的に推進している。しかし、地方自治体の中にはさまざまな要素が重なり、進められない事情もあるようだ


▼複数の市町村の職員からは修繕が進められない理由について「したくても担当できる土木技術者が庁内にいない」「新型コロナウイルスのワクチン接種業務を兼務しているため対応が難しい」「補助率が以前よりも低くなっているため予算的に困難」などの声が聞かれる。防災・減災をおろそかにしているわけではなく、進めたくてもできないということだろう


▼自然災害はいつ起きるかが分からず、発生してしまえば人命だけでなくその後の生活にも大きな影響を残してしまう。だからこそ早期の対策が求められている


▼解決策の一つとして協議会で挙げられたのは、国土交通省関東道路メンテナンスセンターの活用。地方自治体が管理する橋梁などについて、管理者からの要請に応じて直轄診断や修繕代行などを行っている。限られた条件の中で最適に進めるためには、広い視野で情報を集め、選択肢を増やすことも重要となる。(群馬・KS)


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