コラム

2021/08/28

30年後のイメージは(新潟・YY)

30年後のイメージは


▼なかなか捨てられない教科書がある。中学生や高校生の頃に使った世界地図だ。もう必要がない教科書は物置を整理するたびに少しずつ処分してきたが、世界地図は、いつも処分を免れている。見返すたびに現在との違いを発見し、面白いからかもしれない。もう30年近く前のものだ


▼南東ヨーロッパ周辺の国はずいぶん変わった。香港はまだ中国へ返還前。各国の要覧には人口や面積、主要産業などが掲載され、かなり印象が変化した国もある。例えば急成長を遂げた中国。30年前と今では中学生、高校生が抱くイメージは全く違うものだろう


▼建設業に対するイメージは30年で変わっただろうか。一般的に3K(きつい・汚い・危険)の印象が強い業界。新3K(給与・休暇・希望)を実現するため、官民挙げて取り組みを進めているが、まだまだ道半ばといったところ。担い手不足が課題とされているが、若者から選ばれる仕事とするためにはネガティブなイメージの払拭(ふっしょく)も重要な要素となる


▼新潟県などが催した高校生とその親を対象とした工事現場見学会。その様子を振り返った県の担当者は、子世代よりも親世代で建設業に3Kのような負のイメージが強いと話す。実際は現場でもデジタル化が進み、週休2日、快適トイレなどの環境も整ってきた。ITの時代。これまでと求められる技能が変化していることも分かってもらいたいと語る


▼建設分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進による働き方改革や新3Kが実現されれば建設業界も今とは違った姿になっていくだろう。30年後のイメージはどのように変化しているだろうか。(新潟・YY)


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