新しい時代は突然に…（茨城・ＲＮ）

新しい時代は突然に…

▼「詳しくは『〇〇』で検索」というテレビコマーシャルを初めて見た時、衝撃を受けた。コマーシャル以上の情報は視聴者各自で検索してもらい、自社のホームページに誘導するという手法。「こんなＣＭ、あり？」と思ったことを覚えている。おそらく15年ほど前だっただろうか。コンピュータやインターネットが生まれ、一般人にも普及が進んだことの現れだと言えるだろう

▼「詳しくは『〇〇』で検索」は、ある日唐突に目の前に現れたように感じた。とはいえ、知らないところで放映前にさまざまな人が頭を悩ませて文言を考えたり、社会的なインターネットの普及という伏線があったはずだ。今やごく一般的な文句で身の回りにあふれている。新しいものは突然訪れてきて、あっという間に浸透していく

▼建設業は大きな変化の局面に向かっている。数年後には団塊の世代が大量に抜け、否応なしに世代交代が進んでいく。「変化に付いていけなければ生き残れない」と危機感を抱く経営者もいた

▼変化に対応するための鍵の一つがＩＣＴ施工だ。現場でも「経験と勘だけの世界ではなくなってきている」とよく聞く。とある社長は「道具や機械はまず買って、使ってみないと物にならない」と話す。変化をチャンスと捉え、戦略的に準備を進める人が勝機をつかむのだろう

▼「検索」も元々は一般的な言葉ではなかったように思う。知らない間にいろいろなことが変わる。過去を振り返って「そういえば、あの時…」と初めて気付くのである。後ろを振り向いても現実は前にしか進まない。でもたまには過去を矯めつ眇めつ（ためつすがめつ）してもよいではないか。（茨城・ＲＮ）