コラム

2021/09/22

油断一瞬、怪我(けが)一生(新潟・KW)

油断一瞬、怪我(けが)一生


▼先日、いわゆる日曜大工で木製の靴棚を製作し、電動工具のインパクトドライバーを使用していた。非常に便利で、これが無いと作業する気にもならない。木材の低い位置へ付けるネジがあり、寝そべって作業するべきところを中腰の体制でやり通そうとした。工具のスイッチを入れる際に体制を崩し、ドライバーの先端を左手人差し指の腹に突っ込んでしまった。工具の回転音とともに赤い点が小さく飛んだ


▼出血やけがに動揺せず、とりあえず圧迫止血した。工具が衛生的ではないので傷口を流水でよく洗い、周辺を拭いてから湿潤療法で用いる被覆剤を巻いた。5日間ほど経過を観察し、化膿もしていないようで安心した


▼業務では取材活動よりもパソコン作業のキーボード操作に不安があったが、負傷した指のタッチを他の指でカバーするのは意外にも簡単だった。負傷して1週間後には包帯も外し、表面の傷口はきれいになった。しかし、指の中にしこりがあり、痛い。治ったのは表面だけのようである


▼キーボードを打つ時、負傷した指がキーを触ることをためらっている。最初はなぜ手が不自然な動きをするのか、自分でも理解できなかった。脳が指をかばっているのだ


▼指のけがについて家族は「手袋を使用しなかった」と指摘するが、厚生労働省も動力付きの回転工具類は手袋を付けずに使用することを呼び掛けている。巻き込み事故を防止するためだ。予測や対策があってもイレギュラーは必ず発生する。その分も含めた安全策でなければならない。そして慢心と慣れ、つまり事故を起こす者その人自身にこそ要因がある、と肝に銘じる。(新潟・KW)


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