コラム

2021/09/29

皆で取り組む治水対策(茨城・TO)

皆で取り組む治水対策


▼天気予報で雨マークを見るたびに以前とは違った緊張感が走る。近年で明らかに変わってしまった雨の降り方を見ると「このくらい大丈夫だろう」とは簡単には言えなくなってしまった。これからの台風シーズンに向けて、気を付け過ぎて困ることは無いだろう。こうした気持ちは、2年前の東日本台風での経験が大きい


▼再びあの時のような被害を出さないために―。国土交通省関東地方整備局は、2020年4月に久慈川緊急治水対策河川事務所を設置。24年度までのプロジェクトでは、ICT施工や遠隔臨場などの新しい技術を積極的に取り入れるほか、地元自治体や企業、住民と一体で「流域治水」への取り組みを加速させている


▼つい先月、国交省高知河川国道事務所が公式ツイッターで発信したツイートが波紋を呼んだ。高知県内に流れる物部川にて、水害を防ぐためのコンクリートブロックを剥がしてバーベキューの台として使い、ごみと一緒に放置してあったという内容のものである


▼堤防としての役割を持つブロックを動かす「破壊行為」に同事務所は怒り心頭、現在までに4万件以上リツイート(転載)され、注目を浴びている。同月下旬に感染症対策がなされずに開催された屋外音楽イベントへの抗議文の言葉を借りるならば「これまでの努力を愚弄(ぐろう)する悪質な行為」となるだろう


▼治水対策に限らず、道路や農地などの整備に向けては、地域住民の協力無くしては成り立たない。皆が同じ方向を向いてなければならないだろう。何のために取り組み、どのような効果が生まれるのか。整備を行う意義や効果も伝えていきたい。(茨城・TO)


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