コラム

2021/10/08

上野村のチャレンジ(群馬・KS)

上野村のチャレンジ


▼群馬県上野村は、県および電力インフラ設備の製造などを手掛ける東京都内の企業と共同で、県内初の地域マイクログリッド構築事業をスタートさせる。2020年度に協定を締結して準備を進め、21年度9月補正予算にマイクログリッド調査・設計委託料を計上するなど、本格的に動き出した


▼国は災害などにより、大規模停電が発生した際にも自立して電力を供給できる地域マイクログリッドの構築を推進している。群馬県も災害時の電力確保に取り組んでおり、50年までに災害時の停電ゼロを目標に掲げて各種施策を展開していく


▼上野村の黒澤八郎村長はマイクログリッドの構築について「村の安心・安全につながることや県も支援をしてくれるということで、村として取り組むことを決めた。電力会社との連携など解決しなければならない課題もあるが、マイクログリッド構築に向け、まい進していきたい」と意気込む。上野村の取り組みに期待したい


▼近年では気候変動の影響などにより、災害が頻繁化・激甚化している。19年の台風15号により千葉県で東京電力管内の鉄塔が2基倒壊したほか、電柱1996本の電柱が倒壊・損傷。長期にわたる大規模停電が発生した


▼地域マイクログリッドの構築により、送電線からの電力が途絶えてもバイオマスや太陽光、水素エネルギーなどのエネルギーを活用することで電力供給が可能となる。災害に強いまちづくりを推進していく上で、マイクログリッドの構築は魅力的な取り組みの一つと言えるだろう。地域の生活を支える電力インフラの新しい在り方として広がっていくことを期待したい。(群馬・KS)


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