2021/10/16
女性リーダーの誕生(東京・YK)
女性リーダーの誕生
▼3カ月ほど前、先輩記者と会った際に「近く取材協力した映画が公開されるので見てよ」とチラシを渡された。その作品が先日公開された。タイトルは「総理の夫」。日本初の女性総理大臣とそれを支える夫のさまざまな騒動を描いたストーリー
▼公開日が9月23日で、実際の自民党総裁選挙が29日投開票という日程だったことから、現実と架空の世界がシンクロした形となった。しかも総裁選に女性候補が2人いた点も興味深かった。ネタバレになるので詳細は避けるが、現実と同様に権力争いやスキャンダル問題も出てくる
▼岸田文雄氏が総裁となったため、日本初の女性首相は誕生しなかったが、10月4日に発足した新内閣は女性閣僚3人と菅内閣より1人増えた。それでも主要7カ国の中では最も少ない
▼2005年にドイツ初の女性首相となったアンゲラ・メルケル首相、この100年で最も高い支持率を得たニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相など、外国では社会に大きな影響を与えた女性リーダーも多い。特にイギリス初の女性首相となり11年もの間任期を務めたマーガレット・サッチャー氏は、「鉄の女」の異名を取ったことで知られる。新自由主義に基づき、電話・空港・自動車などの国有企業の民営化や規制緩和、金融システム改革を断行。所得税、法人税の税率も大幅に引き下げた
▼13年に亡くなったサッチャー氏は「私が生きている間に女性の首相が誕生するとは思えません」と語っていた。しかし以降、オーストラリア、スロベニア、台湾などで女性リーダーが誕生した。日本でも遠い未来ではないかもしれない。(東京・YK)