コラム

2021/11/10

早期発見で長寿命化(新潟・KW)

早期発見で長寿命化


▼毎年の健康診断で2年連続して悪い判定が出た。便に血液が混ざっているらしい。便検査以外は正常値だったが、健診センターで精密検査を勧められた。準備として、検査前に服用する薬について説明を受けた。処方される下剤のサンプルはあまりにも大きく見えた(実際は2リットルだ)。今回の治療で大腸に小さなポリープが見つかり、手術で取ることになった。大腸の病気は早期発見が早期治療につながる


▼外見に異変はないが、見えていない部分はどうなっているのか。検査の影響もあり、調査の重要性を改めて認識した


▼ある時、玄関にサイダーをこぼしてしまった。屋内の場所だったが、アリが集まっていた。玄関の石畳の隙間から小さいアリがゾロゾロと出てくる。外の巣穴とわが家の玄関が小さな隙間でつながり、往来していた。また、大きな橋梁の床版取り替え工事を取材した際、劣化し撤去したコンクリート床版を観察すると、表面が剥がれ落ち、内部の鉄筋がひどく錆びていた


▼先月、国産の準天頂衛星システム「みちびき初号機後継機」が打ち上げに成功した。みちびきを活用すれば、電波受信で難のあったビル群や山間部での位置情報確認が可能になる。高度成長期の時代と現在でマンパワーに大きな差がある中で、構造物などの長寿命化にはICTを活用した生産性向上が欠かせない


▼いつ発生するか分からない自然災害。被害を最小限に抑えるには、見えない部分を含めた日頃からの調査が必要だ。手遅れになる前に、隠れている危険箇所を早期に発見して長寿命化を図る。ヒトの体も構造物も、どうやら同じようだ。(新潟・KW)


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