コラム

2021/11/16

勝利の先にあるもの(茨城・TO)

勝利の先にあるもの


▼Jリーグの2021年シーズンも終盤を迎える。本来であれば優勝戦線の真っただ中であるはずだが、ことしもやはり「川崎フロンターレ」が強かった。開幕から25試合無敗(19勝6分け)のJ1新記録を達成し、比類なき強さで他を圧倒。シーズン最速で2年連続4度目の優勝を飾った


▼今となっては常勝軍団となったフロンターレだが、かつては大一番で勝ちきれず8度の2位を経験。「シルバーコレクター」と揶揄(やゆ)されることもあった。そうした中、チームでは長期的な視点で選手育成に取り組み、攻撃的な戦術を浸透させていく。着実に、確実に力を付けていった結果、17年の初優勝から5年で4度のJ1制覇につながった


▼強さの要因は一体どこにあるのか。サッカー経験者に聞くと「選手個人の止める・蹴るの技術の高さ」や「戦術の理解度・共有度の高さ」が挙がった。そのほかで特に印象的だったのが、チームが昨年度のシーズンから掲げている「1試合3ゴール」ノルマだった


▼ただ勝つだけではなく、3点取って勝つ。具体的な目標が明確になることで、点を取るためにはどうしたらいいか考え、モチベーションを高める。勝利だけに満足しない姿勢が次につながっていく―。ある選手がインタビューでノルマについて答えていた。技術力や組織力に加えて「勝者のメンタリティ」を感じ、妙に納得してしまった


▼強さには理由があり、勝つべくして勝っている。来シーズンはワールドカップ開催もあり、ますますサッカーから目が離せない。一強状態の王者を破るためにも、地元の古豪復活を期待せずにはいられない。(茨城・TO)


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