コラム

2021/11/17

建設業の人手不足解消へ(群馬・KS)

建設業の人手不足解消へ


▼多くの業界で人手不足が叫ばれているが、建設業界の人手不足は深刻だ。企業信用調査会社が8月に従業員が不足している上位10業種を発表した。正社員、非正社員別に順位付けを行っており、1位は非正社員が飲食店で、正社員は建設業だった。建設業の人手不足割合は57・5%と、51業種で最も高い割合となった


▼建設業の果たす社会的役割は大きい。災害時における復旧工事や冬季の除雪作業、社会経済活動を支える道路インフラ整備など、私たちが生活していく中でなくてはならない業種なのだ。人手不足がより深刻化してしまえば、果たすべき役割を果たせなくなってしまう


▼2019年の台風19号による被災箇所の復旧工事の入札では不調・不落の案件も目立った。発注機関に聞くと、技術者や現場で作業に当たる従業員の確保ができないため落札されなかったのだという。近年では気象災害が頻発化・激甚化している。今後、台風19号災害よりも甚大な災害が発生した場合のことを考えると、人手不足解消は喫緊の課題といえるだろう


▼新たに内閣総理大臣となった岸田文雄氏は10月の所信表明演説に防災・減災、国土強靱化の強化などを盛り込んだ。21年度から5年間で進める国土強靱化5か年加速化対策は総額15兆円の事業規模を見込む。また、建設キャリアアップシステムの導入やICT施工の推進など国を挙げて建設業の人手不足への対策に取り組んでいる


▼建設専門紙を発行する会社の記者の一人として、建設業に携わる企業の代表者や技術者などへの取材を通じて、建設業の魅力や仕事のやりがいなどを発信していきたい。(群馬・KS)


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