コラム

2021/11/30

横断歩道では一時停止を(長野・TT)

横断歩道では一時停止を

▼道路に標示されているハシゴ型のゼブラ柄と言えば横断歩道のこと。日々どのくらい意識しているだろうか。日本自動車連盟(JAF)が今年実施した調査によると、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとした際に、一時停止した車の割合は全国平均で30・6%。長野県は85・2%で6年連続トップという結果だった

▼昨年末に茨城県から長野県に住まいを移すことになり、引っ越し後の数日は徒歩で行動していた。部屋にこもってばかりいても仕方ないと散策に出掛け、交通量の多い横断歩道に、いつ渡れるか分からないという気持ちで立っていた。しかし「えっ、もう停まってくれるの?」と思うくらいすぐに道路を渡ることができた

▼驚きとうれしさに頭を深く下げ、感謝しながら渡ったことが鮮明に記憶に残っている。知らない土地に住むことへの不安が少し解消された。それ以来、何度もこの横断歩道に立つが、苦にせず渡ることができる。大人になって改めて横断歩道の偉大さを感じた

▼ある取材の帰りに、後方を走る車が白バイに止められ、マイクから「横断歩道を渡ろうとした歩行者に気付かなかったか?」と注意しているのが聞こえた。道路交通法では車を運転する人は横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるときは、一時停止しなければならないと定められている

▼道路の築造工事の取材では、幅員や歩道、横断歩道が何カ所設置されるかなど、当たり前のように尋ねる。しかしその機能が果たす役割をすっかり忘れていた。一年で一番忙しいとされる師走も近い。歩行者に優しい運転で、この一年を無事故無違反で終わりたい。(長野・TT)

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