コラム

2021/12/04

重要なハンコとは(新潟・YY)

重要なハンコとは

▼年末恒例となっている保険料控除申告書への記入を今年も行った。昨年はあったはずの印を押すスペースがない。2021年度から押印欄のない様式へ更新されていた。税務関係書類でも脱ハンコが進み、便利になったと感じている

▼以前、官庁へ閲覧申請書を提出する間際、書類に印を押し忘れたことに気付いたことがあった。あいにく印鑑を持参していない。押印がなければ受理されないことは知っていたので、100円ショップが開くのを30分以上待ってハンコを10本買った。このようなことを繰り返さないよう、あらゆる持ち物に入れておこうと思ったからだ

▼駐車場で開店を待つ間、さまざまな思いが巡る。自筆のサインが添えられている書類になぜさらに印が必要なのか。大量生産され、100円で買えるハンコが押されているか、いないかだけで正式な書類として扱われないのは理不尽ではないのかとさえ

▼長く続けられてきた日本のハンコ文化がこのままなくなってしまうのを望んでいるわけではない。書類から押印欄が消えていっていることに寂しさを覚えたことも確か。実印が求められる重要な契約書などでは残すべきだろう。しかし慣例的に押していただけなのであれば、ハンコかサインか選べるようになると非常に助かる

▼脱ハンコ化は業務の円滑化、省力化、遂行する上で何が重要なのかを考えるきっかけとなったのではないか。工事書類の簡素化へ向けた取り組みもその一つと言える。工事で重要なことは安全な環境でより良質な成果品を納めること。本当に大切なことに力を注げられるよう、不要な労力は避けたいものだ。(新潟・YY)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら