コラム

2015/09/29

あたる確率はどっちが高い(新潟・YY)

あたる確率はどっちが高い


▼国交省北陸地方整備局では、毎年9月第4週を「労働災害防止週間」と定め、「安全管理優良受注者」を表彰している。各事務所では、同期間に合わせて建設労働災害防止大会を開催して、安全取り組みや安全パトロール結果報告のほか、安全講和などを聴き、現場の労働安全確保に向けた決意を新たにしている


▼以前、建設労働災害防止大会で拝聴した安全講話が大変興味深かった。「宝くじの高額当選確率より、交通事故で死亡する確率のほうが高い。宝くじは自分に『当たるかもしれない』と期待を込めて購入するが、交通事故に対しては、自分は『大丈夫』と考えている人が多い」という内容だった


▼11月25日から発売される年末ジャンボ宝くじの1等と前後賞を合わせた賞金額が過去最高の10億円となった。当選本数は1等が27本、前後賞が54本。「もしかしたら」と当たった場合の夢を描きながら、購入を考えている方も多いのではないだろうか


▼対して、警察庁が発表した2014年中の交通事故死者数は毎年減少して4113人。厚生労働省がまとめた14年労働災害の発生状況では、全産業で1057人の死亡災害が発生。建設業だけを見ると、377人の死亡事故が起こり、産業全体の35・7%を占めた。今年のドリームジャンボ、サマージャンボ、年末ジャンボからあたる高額当選確率よりも、はるかに高い


▼宝くじの高額当選は運次第。しかし、交通事故や労働災害に遭う確率は、ふだんの心がけや取り組みによって防ぐことも減らすことも可能だ。「労働災害防止週間」を契機に改めて安全意識の向上を図って欲しい。(新潟・YY)


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