川本守彦神奈川県空調衛生工業会会長
(社)神奈川県空調衛生工業会
会長 川本守彦(かわもと・もりひこ)氏
・時代の変化に柔軟に対応
17年5月20日の総会で、第8代目の会長に推された。就任あいさつの中で、最近の何でも改革とい
う風潮には異議ありとして、「残すべきものは残し、改善すべきところは改善する。その上で、抜本
的に改革しなければならないものは改革するという三段構えの考え方が必要」と柔軟な思考で協会運
営に臨む考えを語った。好きな言葉である『温故知新』の考えを実践面でも示したいとしている。
直前に副会長を4年半務めており、会長就任については、「いずれは引き受けなければならないだ
ろうと覚悟はしていました」と心構えは十分で、いざその場面に直面して、「きたか!」というのが
実感だという。
「右肩上がりの中で育ってきた会が、かつて経験したこともない閉塞感に包まれている」という現
状認識の中で、頭の中には課題が山積している。
「時代の大きな変化に対応して、専門工事業としてこれまで培ったノウハウをどう生かせるか」と
いう大きな課題に向けて「例えばPFIについては、このままいけば下請構造を更に強くするばかり
ですから、我々の存在価値をどう示すかということです。また、ESCO事業についても、地元業者
だけで対応できるものもあり、自己研鑽に力を入れなければならない」。
業界をあげて要望・推進してきた『分離発注』については、「これからも重点推進していきます。
ただしこれに甘えるだけではダメで、自ら出ていくという提案型の姿勢が必要です。顧客のニーズに
応えるだけではやっていけない時代になってきていると思います」。
「安全性と経営資質の向上という大きな課題もあります。これからは現場代理人にも経営者的感覚
が必要になってくるでしょう」。
建設業界全体を揺さ振っている入札契約制度については、「工業会として意見具申していかねばな
らない。発注者の積算にはしっかりした根拠があるわけですからそれを尊重できるような入契制度で
なくてはならないと思います。市場がこんなに縮小する中で、官庁工事でのダンピングは自殺行為で
す」とあるべき姿を訴える。
環境イコール「水と空気」という結び付きから、「絶対になくならない業界」との自信を持ってい
るが、「一般の人の目に見えない部分に携わっている業界なので、どうやって視覚に訴えるのかも課
題です」という課題認識もある。
【略歴】昭和30年生まれの49歳。同53年慶応大学経済学部卒業。学生時代はアメリカンフットボー
ルの選手として活躍した。平成7年、父譲次氏の跡を受けて川本工業?代表取締役社長に就任。現在
、現職のほか、テレビ神奈川取締役、横浜商工会議所議員、横浜青少年協会理事はじめ数多くの団体
役員職を兼ねる。