内藤幸一神奈川県電業協会会長
(社)神奈川県電業協会
会長 内藤幸一(ないとう・こういち)氏
・「全体最適」と「部分最適」のバランスを
「かねてから業界に対する社会的評価が低いと認識している中で、業界を代表して受賞したこの表
彰が、業界の地位向上に少しでもつながるのであれば幸いです。一方では、業界団体活動に傾注させ
てくれる会社のバックアップにも感謝しています」。
国土交通大臣表彰受賞の弁を語る中にも、業界リーダーとしての像と、率先模範、言行一致をモッ
トーに毎朝七時半出勤を続ける中小企業トップの姿がダブる。
「業界がかつて経験したことのない環境に追い込まれている中で、地元業界がどうすれば活路を見
出すかということですが、“隗より初めよ”ではないですが、まずトップの意識改革が第一と思いま
す」。
「我々は受注産業ですから、これまでは仕事をとればよかったのですが、価格競争が激化する中で
何が会社にとってプラスになるのかを考えて受注しなければならなくなっている」。
「中小企業が価格競争に巻き込まれれば身の破滅ですから時代の流れに潰されないように、自分の
身の丈に合った非価格競争の分野を探っていくということになるのではないかと思うわけです」。
ダンピングは、個々の企業の疲弊を招くばかりでなく、業界全体の疲弊につながり、業界が先細り
の状態に向かって突っ走っているとの危機感がある。
個々の企業や業界の自助努力を言う一方で、発注官庁に対して、「少なくとも法人格を持って社会
貢献している団体に対しては、全員がメリットを感じるような評価をしてほしい」と正直な気持ちも
吐露する。
「全体最適と部分最適のバランスをどうとるかが業界活動を進める上での原点」とする氏の基本的
考え方は、「大宇宙を支配するバランス」を拠り所としており、業界が混迷を極めるほど、その意を
強くしているようだ。?電成社代表取締役社長、62歳である。