インタビュー

2006
2006/11/10
国交省梶山政務官就任会見
2006/11/09
国交省吉田政務官就任会見
2006/11/08
国交省藤野政務官就任会見
2006/10/12
国交省望月副大臣就任会見
2006/10/05
国交省渡辺副大臣就任会見
2006/09/14
都市機構日原経営企画部長就任会見
2006/09/14
都市機構高梨理事就任会見
2006/09/14
国交省中島都市・地域整備局長就任会見
2006/09/13
東京都石井都市基盤部長就任会見
2006/09/06
東京都?橋建設局河川部長就任会見
2006/09/05
佐藤前国交次官インタビュー
2006/08/31
東京都尾田港湾局港湾整備部長
2006/08/31
東京都依田建設局長就任会見
2006/08/30
東京都泉本財務局経理部長就任会見
2006/08/30
東京都金子都市整備局市街地建築部長就任会見
2006/08/29
東京都比留間中央卸売市場長就任会見
2006/08/22
国交省門松河川局長就任会見
2006/08/18
都市機構?松理事就任会見
2006/08/18
都市機構?橋地方都市業務部長就任会見
2006/08/18
都市機構中川業務企画部長就任会見
2006/08/18
都市機構菅野理事就任会見
2006/08/18
都市機構加納業務第三部長就任会見
2006/08/18
都市機構奥野住宅経営部長就任会見
2006/08/18
都市機構伊藤ニュータウン業務部長就任会見
2006/08/17
東京都福島都市整備局技監就任会見
2006/08/17
東京都只腰都市整備局技監就任会見
2006/08/17
東京都村山環境局長就任会見
2006/08/11
国交省中尾港湾局長就任会見
2006/08/09
国交省平田鉄道局長就任会見
2006/08/07
国交省鈴木航空局長就任会見
2006/08/04
国交省前川技術調査課長就任インタビュー
2006/08/04
国交省佐藤技術審議官就任会見
2006/08/03
国交省渡邊国土計画局長就任会見
2006/08/03
国交省宮田道路局長就任会見
2006/08/01
国交省松原土地・水資源局長就任会見
2006/07/27
国交省藤田営繕部長就任会見
2006/07/27
国交省榊住宅局長就任会見
2006/07/26
国交省宿利総合政策局長就任会見
2006/07/21
国交省春田審議官就任会見
2006/07/20
国交省竹歳官房長就任会見
2006/07/19
都市機構間宮東日本支社長就任会見
2006/07/19
村上建築分科会長インタビュー
2006/07/19
国交省山本審議官就任会見
2006/07/18
国交省谷口技監就任会見
2006/07/18
国交省佐藤前次官インタビュー
2006/07/13
国交省安富次官就任会見
2006/06/12
国交省佐藤技術調査課長
2006/05/15
都市機構植田技術コスト管理室長
2006/05/10
国交省?橋技術調査官
2006/05/01
東京都道家孝行道路監
2006/04/14
国交省清治技監
2006/01/04
国交省北側大臣
2006/05/10

国交省?橋技術調査官

「受発注者をつなぐ立場」

調査基準価格の下限拘束も

?橋技術調査官インタビュー

国土交通省




 国土交通省大臣官房の?橋定雄技術調査官は、日本工業経済新聞社の就任インタビューに応じた。

?橋調査官は、「発注者と受注者をつなぐ立場として微力を尽くしたい」と抱負を述べている。また

地域に根差すことの重要性について語り、「重機や労働力は全国津々浦々へ、日常的に配置されてい

なければならないと思う」と述べた。低入札問題の改善策については、調査基準価格を下減拘束とす

る、独自の考えを展開している。






 ?橋調査官との一問一答は次のとおり。

―就任して1か月が経過したが、抱負は

?橋調査官 今、建設業界が未曾有の苦難に喘いでいる。パイが半減したうえに、昨今の低入札で淘

汰の嵐は過酷を極めている。このままでは不良・不適格業者だけではなく、真っ当な業者も抹殺され

かねないと危惧している。発注者としてではなく、発注者と受注者をつなぐ立場として、真っ当な業

者の皆様がきちんと生き残れるよう微力を尽くしたい。

―具体的には

?橋調査官 部内会議などでは、業界の弁護人のような役割を果たせればと思っている。新しい秩序

を作るためには、厳罰主義だけではいけないと思う。

―現状は世論を意識しすぎてか、厳罰化が進んでいるような気もするが

?橋調査官 パイが小さくなったら分け合うというのが私の倫理観。少なくなったら競えではどこか

おかしいし、小学校でもそのようには教えていないはず。これでは少数の勝利者しか生き残れない。

大企業だけでよいのか。防災や美しい国土の維持管理は、地域に根差していることが必要。乱暴な言

い方をすれば、重機や労働力は全国津々浦々にあり、日常的に配置されていなければならないと思う

。全国に中小の建設会社があることの意義を、今一度考えてみる必要があるのではないか。自動車産

業のように製品を作り出す産業とは、本質的な違いがある。談合のように一部のものが不当利得に預

かるというようなシステムは当然排除されなければならないが、ワークシェアリングはあって良いし

、自由競争の足らざるところを補うのが行政だと思う。

―技術調査官の役割についての考え方は

?橋調査官 一言で言うと、社会インフラ整備を進めるパートナーである業界の皆様の、よろず苦情

受付所。もちろん情報発信もできる範囲で行わなければならないと思うが、これについては、巨大組

織の国土交通省があらゆるセクションで行っているので。「いろいろな話を聞いてほしいが、誰に言

ったらいいのだろう」という方は、私のところにぜひ。契約権限もないしどの部課にも属していない

ので、自由に話を聞かせて頂けると思う。それ故、頼まれごとをしても何もできないが。でも、伺っ

た話はできるだけいろいろなところに伝えていく。

―就任1か月で、相当な来客数のようだが

?橋調査官 いろいろな方の話を、まず聞かせて頂く。整備局にいた頃とは入ってくる情報が違い、

新鮮。新しい経験となっている。業界が、思っていた以上に苦労していると感じている。

―公共調達について

?橋調査官 最近話題になっている低入札問題は、深刻な事態だと思う。正常な価格競争になってい

るか疑わしい。一度低価格が出ると疑心暗鬼になり、普通にしていたら仕事が取れない。とにかく仕

事を取ることが先決になり、見通しがあろうがなかろうが落札へと走る。落札できなければ会社は仕

事がなくなり、落札すれば赤字となり、退くも進むも地獄。

―低入札対策としてペナルティー強化が図られているが

?橋調査官 短期的にはやむを得ないと思うが、瀕死の病人にむち打つことにならないか、気になる

ところ。会計法の壁はあるのかもしれないが、予定価格の上限拘束性が認められるなら、低入札の目

安値である調査基準価格を下減拘束としてはどうか。しかもあらかじめ公表して、それ以下はダンピ

ングとし、公正な入札ではないとしてもよいのではないか。調査基準価格に札が複数張り付いたら、

まさに技術の良否により選別すればよい。副作用のないダンピング対策と技術競争の両面に有効では

ないか。

―談合問題があまりにも深刻なため、談合の恐れがあるシステムは、ことごとく排除されつつあるが

?橋調査官 本当に全部葬ってよいのかについては、疑問を持っている。指名制度がそれで、良い仕

事をしてくれた業者をまた選びたいのは極めて自然。業者からすれば、次に指名をしてもらいたいか

ら良い仕事をするし、信用を失いたくないのも当然。公正に運用されれば、極めて優れたシステムで

ある。一般競争では、昨日まで顔も見たことのない者が、価格だけで選ばれることになる。当然、厳

密な契約と厳しい監視が必要になる。その結果、性悪説に基づく管理にならざるを得ず、膨大なエネ

ルギーが必要になる。一方、指名制度では、信用という性善説的な力学が働くため、管理エネルギー

は大幅に軽減される。指名には調達段階で管理の意味合いも一部含まれている。透明性を高めること

に工夫を凝らし、公正なワークシェアリングのためにも、この制度の発展的存続を望みたい。そもそ

も、民間の商慣行の原点は「信用」なのではないか。

―総合評価方式が主流になりつつある。今年度の直轄工事は、金額ベース80%以上で適用するが

?橋調査官 不良不適格業者の排除に、大きな役割を果たすと思う。しかし、これに異を唱えるもの

ではないが、技術の評価が技術提案に偏重しているかもしれない。これは制度上やむを得ないのだが

、技術の評価というのは提案よりも、むしろ出来上がったものがどうであったか、ここの評価に、よ

り重点が置かれるべきだと思う。この点の努力が、今後の課題なのではないかと思っている。

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