国交省関克己技術審議官インタビュー
◎3次元データやASP明確化
◎CALS/EC AP2008
◎総合評価は実績重視で迅速化へ
◎国交省 関克己技術審議官
国土交通省の関克己(せき・かつみ)官房技術審議官は8日に建設専門紙と会見し、今年度末に策
定するCALS/ECアクションプログラム(AP)2008で、3次元データの本格活用のほか、
受発注者間で情報共有ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の導入を明確化すること
を明らかにした。また今後の総合評価方式では実績評価を一層重視し、契約手続きの迅速化を図って
いく考えを述べている。
―CALS/ECアクションプログラム2008の作成について
関 今回のプログラム2008は、今までとステップを画するものと考えている。現実に使う段階
にようやく入ってきたことが特長。圧倒的に現場の生産性を上げていく。CALS/ECは、本来の
ものづくりに時間がさけるようにしていかなければならない。土木の世界は、まだまだ生産性を上げ
られるフィールドが残っている。そこにようやく具体的にチャレンジできるのが2008だと考えて
いる。
―生産性を上げる考え方は
関 2008には、6つの重点分野がある。まずは入札契約書類の完全電子化による手続きの効率
化。電子化はトータルでできて、初めて意味がある。今回は「完全」という言葉を入れているのが重
要なポイント。二つ目は情報共有システムを導入する。現場における意思決定を迅速かつ明確にして
いく。ワンデーレスポンス、3者会議、設計変更審査会などの目的は共通している。そこにASPを
導入することで、コミュニケーションの円滑化を図る。三つ目が3次元データによる、調査・計画・
設計・施工・管理の各段階を通じて利用可能な電子データの利活用。四つ目は情報化施工をどんどん
進めていくこと。五つ目が、完全電子納品化に対応した品質検査技術の開発。二重納品も解消してい
く。六つ目はCALS/ECの普及で、自治体への普及率も向上させていく。
―今後の工事発注方針について
関 内需拡大が喫緊の課題と世界的に認識されている。2次補正予算が成立されれば、できるだけ
早く補正予算がそれぞれの地域で使われ、効果が発揮される対応をとらなければならない。具体的に
は、発注手続きの迅速化・効率化を徹底的に進める。一番わかりやすいのは、手続き期間そのものの
短縮。総合評価についても、時間がかかりすぎる、また手間とコストがかかると言われている部分が
ある。補正対応ということになると、例えば実績評価を重視する形で、総合評価のスピードアップを
図っていければと考えている。1日でも早く契約に持ち込み、現場が動くことが求められている。