インタビュー

2009/01/09

国交省関克己技術審議官インタビュー

◎3次元データやASP明確化

◎CALS/EC AP2008

◎総合評価は実績重視で迅速化へ

◎国交省 関克己技術審議官


 国土交通省の関克己(せき・かつみ)官房技術審議官は8日に建設専門紙と会見し、今年度末に策

定するCALS/ECアクションプログラム(AP)2008で、3次元データの本格活用のほか、

受発注者間で情報共有ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の導入を明確化すること

を明らかにした。また今後の総合評価方式では実績評価を一層重視し、契約手続きの迅速化を図って

いく考えを述べている。


 ―CALS/ECアクションプログラム2008の作成について

 関 今回のプログラム2008は、今までとステップを画するものと考えている。現実に使う段階

にようやく入ってきたことが特長。圧倒的に現場の生産性を上げていく。CALS/ECは、本来の

ものづくりに時間がさけるようにしていかなければならない。土木の世界は、まだまだ生産性を上げ

られるフィールドが残っている。そこにようやく具体的にチャレンジできるのが2008だと考えて

いる。

 ―生産性を上げる考え方は

 関 2008には、6つの重点分野がある。まずは入札契約書類の完全電子化による手続きの効率

化。電子化はトータルでできて、初めて意味がある。今回は「完全」という言葉を入れているのが重

要なポイント。二つ目は情報共有システムを導入する。現場における意思決定を迅速かつ明確にして

いく。ワンデーレスポンス、3者会議、設計変更審査会などの目的は共通している。そこにASPを

導入することで、コミュニケーションの円滑化を図る。三つ目が3次元データによる、調査・計画・

設計・施工・管理の各段階を通じて利用可能な電子データの利活用。四つ目は情報化施工をどんどん

進めていくこと。五つ目が、完全電子納品化に対応した品質検査技術の開発。二重納品も解消してい

く。六つ目はCALS/ECの普及で、自治体への普及率も向上させていく。

 ―今後の工事発注方針について

 関 内需拡大が喫緊の課題と世界的に認識されている。2次補正予算が成立されれば、できるだけ

早く補正予算がそれぞれの地域で使われ、効果が発揮される対応をとらなければならない。具体的に

は、発注手続きの迅速化・効率化を徹底的に進める。一番わかりやすいのは、手続き期間そのものの

短縮。総合評価についても、時間がかかりすぎる、また手間とコストがかかると言われている部分が

ある。補正対応ということになると、例えば実績評価を重視する形で、総合評価のスピードアップを

図っていければと考えている。1日でも早く契約に持ち込み、現場が動くことが求められている。

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