インタビュー

2009/02/23

関東農政局皆川局長インタビュー

◎用排水施設を着実に

◎3ヶ年で耕作放棄地の解消も

◎関東農政局長 皆川芳嗣(みながわ よしつぐ)氏


 「用排水施設整備などの基盤となる部分は、関係各県の理解を得て着実に進めて行きます」。と農

業農村整備事業への決意を示し、さらに「21年度予算でのポイントは、耕作放棄地の解消と水田のフ

ル活用です」と新たな取組みを述べた。

 耕作放棄地の解消については「遊休農地には葦やヨシなどだけではなく、潅木が生えていて再生に

は重機などが必要となり、建設業界の知恵や労力に期待します。21年は230億円を投入し、23年度

までの3カ年で進めます」と説明した。

 また、水田のフル活用では「404億円を投入し『米粉』や家畜の飼料といった、主食用ではない

米の活用に取組みます」とし、さらに「米粉入りのパンの登場など、製粉技術の向上により新たな商

品展開が可能となり、米の生産調整を解消する切り札となりそうです」と付け加えた。

 さらに、首都圏という巨大消費地を抱えた関東の特徴を「棚田百選に選ばれた、千葉県鴨川市の大

山千枚田(おおやませんまいだ)では、東京都板橋区の大山ハッピーロード商店街にアンテナショッ

プを出して販売活動を進めています」と農村振興事業での具体的な事例を取り上げて説明した。

 林野庁次長時代の19年12月に政府代表団の一員としてインドネシアで開催された、気候変動枠組条

約第13回締約国会議(COP13)に出席。地球温暖化対策の最前線で活躍し「当時の国際交渉はEU

がリードしていたが、日本は開発途上国と連携して進むべき方向を示すべきだ。さもないと『バック

ギア』に入りかねない」と今後の展開を懸念している。

 学生時代はクラッシックの混声合唱団に所属。映画鑑賞が趣味で、最近は「おくりびと」に感動。

休日は散歩を欠かさない。健康管理は「よく寝る」ことと「朝食を抜かない」ことのようだ。


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【略暦】昭和29年4月27日生、福島県出身。東京大学経済学部卒業、昭和53年農林省入省、平成2

年兵庫県農林水産部振興室長、平成7年食糧庁長官官房総務課調査官、平成13年農村振興局計画部

土地改良企画課長、平成19年林野庁次長、平成21年1月現職

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